そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「今度は、お父様が婚姻を結ぶのね」
父の幸せを願っておめでたいと思うべきことなのに動揺ばかりが強くなり、なんだか喜べないわと小さくため息をつく。
ソフィアはそっと自分の胸に手を当てて、新しい母親ができることに抵抗があるのかもと、心の中にあるもやもやを分析する。
親子の関係性としてはやはりずれているだろうけれど、突出した光の魔力のお陰で距離が近くなったことは間違いない。
参考書に小説だけでなく、最近は服や宝飾具なども買い与えてくれ、図書館の執務室は自由に出入りすることもソフィアは許され、王宮にも菓子を食べにこいと度々呼ばれるたりもするようになった。
何より、話があるからとこうして父の元へ来られるようになったことが、自分の中では大きな進歩だとソフィアは思っている。
しかしここでゼノンが正妃を迎え、正妃との関係が強固なものになってしまったら、逆に自分との関係が希薄になってしまうような気がして嫌なのだ。
嫌……というより、もしかしたら私、お父様を取られてしまうのが寂しいのかもしれない。
そんなことが思い浮かび、ソフィアが戸惑い出した時、戸口から凛とした声が響く。
「ソフィア、来ていたのか」