そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

声をかけてきたゼノンに、ソフィアは勢いよく顔を上げて「お父様!」とパッと表情を明るくさせる。


「お父様にちょっとお話があって」

「話? 構わない。ちょうど終わったところだ。中に入れ」


ゼノンに室内へ入るように顎で差し向けられ、ソフィアは応接室に初めて入るわと少しワクワクしながら戸口をくぐり抜ける。

まず視界に飛び込んできたのは、部屋の中央に置かれている長テーブル。

そこには四つの小さな鉢植えが置かれていて、植えられている植物はどれも枯れかけていた。

四つという数が、先ほど見かけた女性の人数と一致することに気付けば、ここで婚約者候補たちと楽しい語らいではなく、試験のようなものが行われていたのではと想像せずにいられない。

長テーブルと向き合う形で置かれているひとり掛けのソファーにゼノンが腰掛けて、おもむろに長い足を組む。

ただ座っているだけでもゼノンの存在感は抜群で、間近で見られている状態で何かさせられたとしたら、緊張して失敗してしまいそうだわとソフィアはわずかに肩をすくめた。

マシューが手元の書類を確認しながら、ゼノンの傍に立った。


「妃候補の中で、気に入った方はいらっしゃいましたか?」


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