そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
葉脈に光を走らせながら、ゆっくりながらも青々と生命力を取り戻していく様は見事で、ゼノンは満足げに笑みをたたえ、マシューやハンナも「さすがです」と感嘆の声をあげる。
光が消えたところでソフィアは大きく息を吐き出す。植物から手を引き戻して、少し得意げにゼノンへ微笑みかけた。
「合格いただけるかしら?」
「あぁ。申し分ない」
ゼノンが首を縦に振ったことで、ソフィアは「やった!」と手を合わせた。
続けて、肘掛けに右肘を乗せて頬杖をついたゼノンから「話とは?」と問われ、ソフィアはすぐさま駆け寄っていく。
「来月の中月祭のことなのだけれど。随分前に、暇があったら連れて行ってくれる約束をしたのを覚えている?」
「あぁ、そうだったな。……来月か」
渋い顔をされてしまい、やっぱりダメかもと残念な気持ちになりつつも、ソフィアは受け入れるようにひとり頷く。
「さっきマシューに、来月お父様は忙しいと聞いたわ。無理なら、その約束は来年までとっておくことにします」
ソフィアは物分かり良くそう言ったが、ゼノンは少し考え込んでから、マシューをチラリと見た。