そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「予定、なんとかならないか?」
「無理でしょうね」
朗らかに即答され、ゼノンは「そうか」と返すも、少し不機嫌そうに顔を顰めた。
「それならハンナとふたりで、お祭りの最終日に遊びに行っても良いかしら?」
「最終日?」
「実は、クラウド様からお手紙をいただいて、最終日に披露される演舞が素晴らしいから見に来ないかとお誘いを受けたの」
「……へぇ」
さらにゼノンの不機嫌さが増し、室内の温度が一気に下がったような気がして思わずソフィアは身震いする。
「予定、なんとかしろ。俺も一緒に行く」
「ゼノン様、無茶です」
「三度目は言わない。なんとかしろ」
鋭い声音で容赦なく言い放たれ、マシューは「分かりました。なんとかしましょう」と青い顔で項垂れるように頭を下げた。
なぜ機嫌が悪くなったのか分からず恐々と様子を伺いながら、ソフィアはゼノンの傍らから問いかける。
「一緒に行けるの?」
「あぁ行く」
「行けるのね! お父様とお出かけなんて初めて。楽しみ!」
嬉しくて笑みを堪えきれないままにソフィアは軽く飛び跳ねて、そしてゼノンの前に移動して肘掛けに乗っていた大きい左手を両手でぎゅっと握り締める。