そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「お父様、最高! 大好き!」
元気いっぱいに自分の気持ちを告げてから「それじゃあお仕事頑張ってね」と手を振って、ソフィアは弾むような足取りでハンナと共に応接室を出た。
「クラウドにも、お父様と一緒に行くと返事をしなくちゃね」
もしかしたら、自分の手紙よりもお父様がケットジア国王に中月祭へ赴く旨の連絡を入れる方が早いかもしれない。
ソフィアはそう予想しながら廊下を進んでいたが、階段手前で「あっ、そうだったわ」と父へ言おうと思っていたことがあったのを思い出す。
「お父様に本のお礼を言うのを忘れていたわ。ちょっと行ってくる」
ソフィアはハンナをその場に置き去りにする勢いで応接室に向かって走り出した。
きちんと閉めていなかったようで、わずかに開いていた応接室の扉の前で一度足を止める。
相手は忙しい国王陛下だ。いつでも顔を合わせて直接言葉を交わせるわけではない。
今のうちにお礼をと考えながらドアノブに手を伸ばした時、中からマシューの面白がるような声音が聞こえてきた。
「いくら娘が可愛いからと言って、ソフィア様はもう十四歳ですし、親のあなたが着いて行かなくても。ゼノン様がいたらクラウド王子との語らいの妨げになるのでは?」