そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「いや。俺も中月祭の演舞を見てみたいと思っていたところだ。神も見に天から降りてくると言われているほど素晴らしいと評判だからな」
「そんなにもだなんて、期待しちゃうわ」
ソワソワとソフィアが座り直したところで、銅鑼が鳴らされ、楽師たちが楽器を奏で始める。
ゆったりと流れるような音色に耳を傾けていると、派手な装飾が施された剣を手にした男性と、優美な扇子で顔を隠した女性が三人ずつ舞台へ上がっていく。
力強く荒々しい剣舞で争いの残酷さや愚かさを表現し、しなやかな優雅な舞で平和への祈りを捧げる。
衣装の華美さも併せて目で楽しませ、音楽で心を高揚させ、一気に舞台上の世界へと見る者を引き込んでいく。
人数が増えても一糸乱れず、洗練された動きで演舞は続いていく。
時折呼吸を忘れつつ、すっかり見入っていたソフィアの頬にポツリと雨粒が落ちてきた。
反射的に空を見上げたが快晴で、いわゆるお天気雨だ。
「なんと、今年は神様がいらっしゃったようだ」
マクマス国王の嬉しそうな声が響き、周囲もざわつき始めるが、演じ手たちは揺るがず舞い続ける。
演目にかかる時間は、約一時間。