そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
ブツブツ言いつつも夢中になって食べていると馬車がゆっくりと動き出し、馬に乗って横を並走するマシューがソフィアの食べっぷりに窓越しに気づいて笑う。
ゆったりと座席に腰掛け、ソフィアをぼんやり見つめていたゼノンが静かに口を開いた。
「武族の王子を気に入ったか?」
突然の問いかけにソフィアは思わず動きを止める。
「えぇとっても」と答えようとしたが、後々の婚約破棄を考えるとその返答で大丈夫だろうかと不安になる。
数秒黙り込んだあと、言葉を選びながらソフィアは喋り出す。
「知識も豊富で、王子としての自覚や責任感を持たれていますし、とても立派な方だと思います……ただ、今の質問が異性として気に入ったかという意味でしたら、わかりません」
「わからない?」
「今、私の中にあるクラウド王子への思いは、愛情というよりも友情。そして、私に対しての王子の気持ちも同じであるように感じております」
これからのことを少し匂わせておいても良いかもしれないとソフィアは考え、真っ直ぐゼノンを見据えた。