そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?


「力になれと言われたのに、これではお荷物になってしまいそうね」


子供のころ、図書館の二階で交わした約束を思い出しながらソフィアが呟くと、ゼノンが抱きしめる力を強くした。


「そんなことはない。俺はソフィアがミルドフキローアカデミーを卒業したら、魔力研究を手伝ってもらえたらと思っている」

「ほっ、本当に? ぜひ手伝わせてもらいたいわ!」

「あぁ、夫婦で研究に没頭するのも悪くない」


近距離で見つめ合いながら、ソフィアは苦笑いで問いかける。


「本気で私を娶るつもり? 年もすごく離れているし」

「年など関係ない」


確かに、こうして見た目に変化をつけられる彼には、年齢の差など些細なものだろう。


「俺は嫌か?」


真剣な眼差しと言葉を受け取って、ソフィアは自分自身に問いかける。

私にとってゼノンは……たったひとりの父親であり、掛け替えのないほど大切で、自慢でもあり、絶対に誰にも渡したくない、愛おしい男性。

嫌な訳が無いと、ソフィアはゆっくりと首を横にふる。


「なら、俺と一緒に幸せになるか?」


クラウドではなく、彼のお嫁さんになりたい。生まれる前から、ゼノンが好き。

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