そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

まるで思いが通じたかのようで、ソフィアの心は嬉しさで震えた。


「国王様の最初のダンスのお相手が私で良いのですか?」

「お前以外にふさわしい相手がどこにいる」


手を伸ばしながらも途中でためらい動きを止めたソフィアの手を掴んで、ゼノンは甘く言葉を返す。

そして、見つめあったままゆっくりと立ち上がり、もう片方の手でそっとソフィアの腰を引き寄せた。

静かに周囲の生徒たちが場を設けるように引いていき、より一層音楽が力強く奏でられる中で、流れるようにゼノンとソフィアは踊り出す。

ダンスは昔ハンナに基本的なことを教えてもらった程度。

そのためソフィアが、時折、ゼノンの足を踏んでしまったりはしたが、ゼノンの上手いリードで人々の視線を釘付けにしながらダンスは続く。

生徒たちもペアを作ってはダンスをしたり、用意された食事を楽しんだりし始め、ソフィアもゼノンとの時間に夢中になる。


「姫様、俺とも一曲。約束したじゃないですか」


ちょうど足を止めて、一息ついたところでマシューから話しかけられるも、ゼノンはソフィアの手を離さない。

むしろゼノンは、あっちに行けという眼差しでマシューを追い払おうとする。

「ゼノン様」とマシューが顰めっ面でぼやいた時、ガラスの割れる音が響き渡り、続けて「きゃあっ」と女性の悲鳴も上がる。

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