そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「……どう? 少しは楽になっていたら良いのだけれど」
白馬が興奮するようにブルルと鼻を鳴らし、ソフィアの中に忘れていた恐怖心が蘇ってきて顔を強張らせる。
しかし、自分の頬をベロンと舐めて、頭部を擦り寄せてきた白馬にソフィアは呆気に取られた後、ふわりと笑みを浮かべた。
「お役に立てたみたいでよかったわ」
声を掛けつつ立ちあがると、ぐらりと強い眩暈に襲われ、ソフィアはそのまま前のめりに倒れそうになる。
地面に体を打ち付ける覚悟を頭の片隅で覚悟した瞬間、誰かに腕を掴まれた。
「姫、大丈夫ですか? しっかりしてください」
ソフィアが振り返る間もなく体はひょいと抱き上げられ、近距離で目が合った人物にギョッとする。
「……あなた、アルヴィンの教育係の」
「はい。昨日はありがとうございました。おかげさまでアルヴィン様も張り切って私めの講義を聞いてくださいました」
どうしてアルヴィンの教育係がここにいるのかと目を大きくさせたソフィアにはお構いなしに、教育係の男性はゆっくりと屋敷に向かって歩き出した。