そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「まったくよくないわよ!」
ソフィアは飛び起き、息を荒げながら自室を見回して「夢か、よかった」とホッと肩を下ろす。
恐る恐るベッドを降りてゆっくりと一歩を踏み出す。
眩暈に襲われることもなく窓際まで進み、「全回復ね」と笑みを浮かべながらカーテンを開けた。
眩い朝日と清々しい空気が気持ちよくて伸びをした時、扉が叩かれてハンナが部屋に入ってきた。
「姫様、おはようございます。お加減はいかがですか?」
「もう大丈夫よ」
昨日の早朝のことを今話してしまおうかと考えてソフィアが口籠っている間に、ハンナは微笑みながらクローゼットへ進んでいく。
「安心しました。もうすぐ朝食の準備も整いますから、お着替えを。今日はお忙しくなりますよ」
「今日、何かあったかしら?」
「姫様の魔力属性を鑑定してもらう予定になっております」
ハンナの手を借りて普段着のドレスに着替えながら、ソフィアは「そうなのね」とぽつり呟く。
鑑定が済んだらきっと私のパーソナルデータにも『魔力属性』の項目が新たに追加されるかもしれないわねと考えを巡らせていると、ソフィアのお腹が大きく鳴り響き、「お腹が空いたわ」とちょっぴり恥ずかしそうに微笑む。