そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?


「ルイスさん、おはようございます。こんなに朝早くからいったいどうしたのですか?」

「姫様の魔力属性の鑑定に参りました。申し訳ないのですが、本日は予定が詰まっておりまして、予定より少し早めに失礼いたします」


早すぎなのではと思いながら、「そ、そうですか」とソフィアは口元を引き攣らせる。

そんなソフィアの様子など気にも留めずに、ルイスは冷めた眼差しで食卓を見つめる。


「……まさかと思いますが、あなた方は、姫様と一緒にお食事を?」


厳しく諌めるように発せられた声音に、ハンナと侍女たちは「申し訳ございません」と一斉に頭を下げ、ソフィアは驚き椅子から立ち上がる。


「怒らないで! 私が無理を言って、気乗りしないみんなに、私と食事を一緒にさせているの」


ルイスの目の前まで走り出て、ソフィアが両手を広げて主張するが、ルイスは有り得ませんと言うように首を横に振る。


「しかし、これらはあなた様にお仕えする身。いくら頼まれても、共にテーブルを囲んでいいはずがありません。身の程を弁えるべきです」

「私が粘ったからよ。一緒に食べてくれないなら、私も食べないって。もちろんこれからだってそうよ。あなたにはわからないかもしれないけど、ひとりぼっちで食べる食事はとっても寂しいの。美味しいものも味気なくなってしまうくらい」

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