そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
もう一緒に食べてもらえないかもしれないと少し泣きそうになりながら、スープを匙で掬って口に運んだ時、ギギッとわずかに音を立てて、ソフィアの向かいの椅子が引かれた。
「私にもスープを一杯いただけないか?」
目の前に座ったのはルイスで、呆気に取られて見つめるソフィアの匙からスープがポタポタと落ちていく。
「現状、理解しかねるが、だからと言って理解しようと思わないこともない」
言い方も表情も堅苦しいが、中身はそれほどでもないのかとソフィアは思い直し、にこりを笑いかける。
「ルイスさん、ありがとう。私もこれから、みんなに迷惑をかけないような行動を心がけるわ」
「そうしてください。良いですか、怪我を負った動物に、不用意に近づいてはなりません。あの白馬は気性が元々穏やかなのもあり、攻撃を受けずに済みましたが、それは運が良かっただけです。他の馬だったらそうはいかなかったでしょう」
早口で並べられていく小言にソフィアは真顔になりつつ、黙々と食事の手を動かし始めた。