そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
初めて王宮の敷地から外に出たため、道の両脇に広がる平原や、通り過ぎざまに目に飛び込んでくる街並みが物珍しくて仕方ない。
胸を高鳴らせたソフィアの視界に、やがて、国境となっているグランス大河が現れる。
大きな橋を渡って中洲へと入り、すぐに目の前にあわられた大きな建物にソフィアは思わず息をのむ。
「二年後、私はここにくるのね」
ソフィアの視線の先にミルドフキローアカデミーがあるのに気づいて、ハンナは「はい。その予定となっております」と頷く。
三階建てほどある煉瓦造りの立派な建物は、ゲームの画面で見たそのままだが、実際に目にすると、その立派な佇まいからは歴史や風格が感じられ圧倒される。
実は今まであまり実感がなかったのだが、本当に私は『メレディスの祝祭歌』の世界で生きているんだとソフィアの胸が高鳴っていく。
しかし、今日の目的地はそこではない。
馬車はミルドフキローアカデミーの前を通過し、賑わう市場のそばを進み、大きな門扉をくぐって真っ白な洋館に到着する。
「姫様、到着しました」
マシューが馬車の扉を開けて、「お疲れ様です」と微笑みと共に手を差し伸べてくる。