そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
乗り込んだ時同様、ソフィアはその手を取って、馬車を降りた。
王宮を出発した時はまだ早朝の時間だったが、すでに日は頭上へと昇っていて、その眩さにソフィアは目を細めてから、視線を洋館へと落とし、わずかに顔を強張らせる。
「緊張されていますね……でも、失敗したって大丈夫です。その場合、席を立ってそのまま王宮に帰ればいいだけですから」
出発直前に聞いたお父様のセリフだわとソフィアは思わず苦笑いする。
しかし、これから行われる顔合わせは、自分の人生を左右する重要なイベントであり、ソフィアにとってそんなに軽いものではない。
気を引き締めなくちゃとその思う一方で、あの中に転生前に夢中になった王子様がいるのだと思うと気持ちが浮つきそうになり、必死に我慢する。
ともかく、落ち着かないままにソフィアはマシューやハンナと共に洋館の入り口に向かって歩き出した。
たどり着くと同時に玄関の戸が開き、メガネをかけた年配の執事がすっと外に出てきて、ソフィアに向かって恭しくお辞儀をした。
「ソフィア様ですね。お待ちしておりました」