そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

そこは食堂のような場所で、長いテーブルの中央部分にひとり座って本を読んでいるブロンドの髪の少年を見て、ソフィアは息を呑む。

クラウドはほんの一瞬気だるげに顔を上げてソフィアを見たものの、嫌そうに顔を顰めただけですぐに視線を落とし、読書を再開する。

間違いなくあのクラウド王子だと気持ちが舞い上がりかけていたソフィアだったが、当の本人からそんな態度を取られ、この彼と友好関係を築けるだろうかと不安になる。

執事から「クラウド王子」と三回たしなめられて、やっとクラウドは本を閉じたが、乗り気でないという態度は崩さず、あごを逸らしてソフィアを見た。

戸惑いながらも「ソフィア・アンドリッジです」と挨拶すると、クラウドも「クラウド・マクマスだ」とだけ名乗って、口を閉じた。

着席を促す言葉も発しないクラウドを見かねて、執事が「ソフィア様、こちらにどうぞ」とクラウドの向かいの席を引く。

「ありがとうございます」とソフィアは席に着くが、クラウドからあからさまに目をそらされ、気まずさばかりが膨らんでいった。

魔族がそうであるように、武族も魔族を嫌っている者が多く、たとえ半魔族であっても魔族の血を引いているからと、嫌悪の対象に含まれるのだ。

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