Screw driver
「ご希望のカクテルはありますか?」

「九条さんのおすすめでお願いします!」

「了解しました」

美月はお酒を飲むのが好きなものの、カクテルの種類などはあまりわからない。覚えるのが面倒くさいのだ。そのため、いつもここに来た時には慶太のおすすめのカクテルを飲んでいる。

慶太はホワイトキュラソーと生クリーム、そしてブランデーとコーヒーリキュールを取り出してシェーカーに全て入れ、氷と一緒にシェイクし、グラスに注ぐ。

「ベルベット・ハンマーです」

美月の前に置かれたグラスには、琥珀色のカクテルが入っている。生クリームが入っているためか、微かにふわりと甘い香りが漂った。

「ありがとうございます」

美月はグラスを口につけ、ゆっくりと傾ける。甘いカクテルが口の中に入り込むと、仕事の疲れやストレスから一気に解放されるような感覚になった。

「甘くておいしい!九条さんの作るカクテルって、どれも甘くて飲みやすいんです。だからすごく好きで!」
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