アイドルと私。
ドキッ…。あ、もしかして雅人くんは怒ってるんじゃなくて…

「もう、牽制しない。さっきのは直樹と紗莉ちゃんが2人でお迎えしたから勘違いしただけだって。だって優衣ちゃんは、俺らが居ること知らなかった訳だしさ。」

幸一くんの言葉と私が思った事は一緒だった。

「あ、ごめんなさい…てっきり沙莉先輩の彼氏さんは直樹だと…」

「ほら、優衣だって謝ってるんだから、そんなに気にしないの。」

分かりやすくほっぺを膨らませ、私を見てくる雅人くんに

「ごめんなさい。優衣の奴が勘違いして…」

良くんまで謝る空気になっちゃって、このままどうなるのかな?と思っていたら、

「じゃあとりあえず集まったし、乾杯しよー!」

直樹くんのこの空気を壊す言葉に、雅人くんはやっと笑って

「飲み物取り行こ。」

と私の腕を掴む。そうすると…

「わー!先輩の彼氏まーですか!きゃー!って待ってください!どうやって知り合ったんです?」

と私達の後に続いて追いかけてくる優衣のお言葉。そりゃそうよね。驚くし、展開に追いつかないのも分かる。分かるけど…

「沙莉先輩〜ちょっと詳しくお話聞かせてくださいよ!」

こうなる優衣の止め方は私は知らない。
< 147 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop