アイドルと私。
紗莉ちゃんが俺と距離を取ろうとするからそんな事は絶対嫌だ!と思って、心の内を話したら好きって事まで言っちゃった…まだ言うつもりなかったのに…これからどんどん俺の事知ってもらってから、言うつもりだったのに…でも沙莉ちゃんはその事に触れず、うんとしか言ってくれない。それもそれでなんか嫌だ。男として見てくれてないのかな?

「ねぇ、紗莉ちゃん?俺の事どう思う?」

「どうって…言っていいの?」

お、なんか印象はあったっぽい。それは是非とも聞かせて頂きたい。今後の参考にするから。

「うん、言って?なんでもいいよ?」

「えっと…犬みたいだなって。嬉しい時は耳をピーンと立てて、尻尾を振り回してて、落ち込んだ時や拗ねてる時、不安な時は耳を垂れさせて、尻尾はだらーんとさせてる。そんなイメージがあるよ!」

犬!犬ですか!まさかの予想外の返答に驚きつつも電話口からは思い出したように楽しそうな笑い声が聞こえてくる。でもまさかの俺の印象は犬ですか!こりゃまずい…まずは人間って事を分かってもらわないと。
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