財界帝王は初恋妻を娶り愛でる~怜悧な御曹司が極甘パパになりました~
「紗世さん、大変です! ボウルルーム、予約されていません!」

「ええっ!? どういうことですか?」

 立ち上がった工藤さんの元へ駆け寄る。血の気が一気に下がる感覚だ。

「予約はされましたが、その後キャンセルに」

「……な、中山社長に電話を!」

 スマホを手に、中山社長へ電話をかける。

 ――カチャ。

 出た!と思った次の瞬間。

《お客様がおかけなった電話番号は現在使われておりません》

 心臓がギュッと鷲掴みされた。

 ガクッと椅子に座り込み、角谷副社長へもかけてみるが、先ほどと同じアナウンスだった。

「工藤さん、どうしよう……電話が解約されているみたいなんです」

「家元に電話をします!」

 工藤さんは母へ電話をかける。

 冷静にならなきゃと思うのに、心臓が不規則に暴れて頭の中がぐちゃぐちゃで整理が出来ない。

 どうして電話が解約されているの? それもふたりとも。

 うちは……詐欺にあったの……?

 ホテルも一度は予約されたものの、キャンセルされていた。

 六百万円を受け取ってすぐに逃げたんだ。

 隣で工藤さんが母に説明をしている。

「家元がすぐに来るそうです」
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