財界帝王は初恋妻を娶り愛でる~怜悧な御曹司が極甘パパになりました~
「こんなに鮮やかな赤の着物は初めてだから、なんだか恥ずかしい」
「恥ずかしがらないで。本当に綺麗な娘になったわ」
「自分の子供だからそう言うのよ」
「そんなことないわ。誰が見ても綺麗だと思うわ。我妻社長だって、そう言っていたでしょう?」
ふいに我妻社長を思い出し、どんよりした気分に襲われる。
「お世辞で言ってくださったのよ。あ、もう時間だわ。お母さん、着付けありがとう」
京極さんにそう言われたら舞い上がるほどうれしいだろう。
我妻社長の名前を再び出されないうちに出掛けるそぶりを見せる。
「あら、もう行くの? 門で写真を撮ろうと思っていたのに」
「友達に撮ってもらってあとで送るわ。いってきます」
部屋を出て、リビングのソファに置いていたバッグを手にして玄関へ向かった。
電車に乗り大学の最寄りの駅に近づくと、袴姿の女子大生やスーツを着た男子学生が目立ってきた。
侑奈と加茂君のふたりと待ち合わせしているのはキャンパスの門だ。
敷地内に入っていく卒業生たちは晴れやかな表情で、私も詐欺の件がなければ同じくそんな顔だっただろうと思う。
「恥ずかしがらないで。本当に綺麗な娘になったわ」
「自分の子供だからそう言うのよ」
「そんなことないわ。誰が見ても綺麗だと思うわ。我妻社長だって、そう言っていたでしょう?」
ふいに我妻社長を思い出し、どんよりした気分に襲われる。
「お世辞で言ってくださったのよ。あ、もう時間だわ。お母さん、着付けありがとう」
京極さんにそう言われたら舞い上がるほどうれしいだろう。
我妻社長の名前を再び出されないうちに出掛けるそぶりを見せる。
「あら、もう行くの? 門で写真を撮ろうと思っていたのに」
「友達に撮ってもらってあとで送るわ。いってきます」
部屋を出て、リビングのソファに置いていたバッグを手にして玄関へ向かった。
電車に乗り大学の最寄りの駅に近づくと、袴姿の女子大生やスーツを着た男子学生が目立ってきた。
侑奈と加茂君のふたりと待ち合わせしているのはキャンパスの門だ。
敷地内に入っていく卒業生たちは晴れやかな表情で、私も詐欺の件がなければ同じくそんな顔だっただろうと思う。