財界帝王は初恋妻を娶り愛でる~怜悧な御曹司が極甘パパになりました~
「母も落ち込んで、ずっと悩んでいるの。食事も喉を通らなくて」
仏壇の前に座る母を思い出して顔が歪む。
「紗世の体調はどう?」
「私は問題ないよ。ありがとう」
「良かった。今日だけでも気が紛れたらいいんだけど」
そう気遣ってくれる侑奈だけど、心配そうな表情は変わらない。
「うん。最近おいしいものも食べていないし、ぱあっと気分転換したいな」
落ち込んだ気分が侑奈に伝染してほしくなくて、にこっと笑った。
友人たちと楽しい時間を過ごしている間も詐欺の件は頭から離れず、まだみんなが飲みに行くという中、断って二十一時過ぎ帰宅した。
「ただいま~」
玄関から電気の点いているリビングの方向に声をかけるが、いつも『おかえりなさい』と言ってくれる母の声がない。
「お風呂かな」
草履を脱いでリビングに歩を進めた私は息をのんだ。
「お母さんっ!」
母がソファの下に横たわっていたのだ。
手荷物を投げ出して母に駆け寄る。
「お母さん! お母さん!」
声掛けに母がうっすら目を開けた。
仏壇の前に座る母を思い出して顔が歪む。
「紗世の体調はどう?」
「私は問題ないよ。ありがとう」
「良かった。今日だけでも気が紛れたらいいんだけど」
そう気遣ってくれる侑奈だけど、心配そうな表情は変わらない。
「うん。最近おいしいものも食べていないし、ぱあっと気分転換したいな」
落ち込んだ気分が侑奈に伝染してほしくなくて、にこっと笑った。
友人たちと楽しい時間を過ごしている間も詐欺の件は頭から離れず、まだみんなが飲みに行くという中、断って二十一時過ぎ帰宅した。
「ただいま~」
玄関から電気の点いているリビングの方向に声をかけるが、いつも『おかえりなさい』と言ってくれる母の声がない。
「お風呂かな」
草履を脱いでリビングに歩を進めた私は息をのんだ。
「お母さんっ!」
母がソファの下に横たわっていたのだ。
手荷物を投げ出して母に駆け寄る。
「お母さん! お母さん!」
声掛けに母がうっすら目を開けた。