財界帝王は初恋妻を娶り愛でる~怜悧な御曹司が極甘パパになりました~
 一時間後、お風呂から上がって自室でシートマスクを顔に貼り、髪をドライヤーで乾かしたあとにベッドの上でボディクリームを塗る。

 いつもはここまでケアをしないが、明日は謝恩パーティーと京極さんとの食事があるので、肌はベストコンディションでいたい。

「手を握られて嫌な気分になるなんて、あの人と結婚なんて出来るのかな……」

 膝小僧にボディクリームを塗り込みながら、ふっとそのことを思い出して呟き、フルフルと首を左右に動かす。

「今は考えられない。今日は早く寝よう」

 視線の先には明日の謝恩パーティーで着るドレスがある。

 オフショルダーの半袖で、サックスブルーのサテン地の上、全体にレースが施され 、膝丈だが後ろが少し長くフィッシュテールになっている。

 今までは改まった場に行く際はいつも着物だったので、ショッピングに行って戸惑ったが、一緒にいた侑奈に絶賛されて決めたのだ。

 モデルを生業としている小玉さんには到底追いつかないけれど、京極さんに『今日の紗世は違う』と言ってもらえたらうれしい。

 シートマスクを顔から剥がしベッド横のゴミ箱にポイッと捨てて、電気を消した。
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