財界帝王は初恋妻を娶り愛でる~怜悧な御曹司が極甘パパになりました~
 やっぱり京極さんは勝手に決めずに聞いてくれる。

「そんなことないです。中間くらいなら」

 飲みやすいシャンパンを彼に選んでほしかった。

 京極さんはコンシェルジュと入れ替わりに入室していたスタッフに視線を流す。

「ドライすぎないシャンパンはありますか?」

「京極様、本日はありがとうございます。本日はブルゴーニュ産のセックが届いておりますが。エクストラ・セックに近い味わいになっております」

「それなら彼女も飲みやすいですね。だろう。それを頼みます」

「かしこまりました」

 スタッフがお辞儀をして部屋を出ていく。

「セックって、どういう意味ですか?」

「中甘口ってことだ。中辛口がエクストラ・セック。今頼んだのはそれに近いシャンパンのようだ」

 京極さんといると勉強になることが多い。

 シャンパンを飲む機会はほとんどないけれど、覚えていれば選びやすくなる。

「謝恩パーティーは楽しかったか?」

 途中から京極さんを誘惑するミッションが頭を占めて楽しかったとは言えない。
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