財界帝王は初恋妻を娶り愛でる~怜悧な御曹司が極甘パパになりました~
 先ほどのシャンパンと赤ワインのせいもあるのだろう。

 京極さんの手が私の腕を支えた。

「大丈夫か?」

「は、はい。ありがとうございます」

 思いのほか京極さんの顔が近くて胸が痛いくらい暴れ始めた。

 困惑したところでスタッフが現れ、京極さんの腕が離される。彼の意識がそちらへ向いた直後、胸に手を当てて大きく息をつく。

 スタッフはドライマティーニと、スコッチ、チョコレートやナッツ、チーズなどのお皿、フルーツの盛り合わせをテーブルに置いて、丁寧にお辞儀をしてから立ち去った。

「ドライマティーニだ。紗世が想像したカクテルか?」

「そのものです。いただきます」

 手にしていたイヤリングをテーブルにのせ、代わりにグラスを持った。

 喉の渇きを覚え、ドライマティーニをゴクッと飲んでそのアルコールの強さに咳き込みそうになる。

 うわっ、アルコール度数が……。

 一気に体がかぁっと熱くなり、ふわふわしてくる。

「どうだ?」

「え……っと、思っていた通りの味か……な」

 私の言葉に京極さんがクックッと笑い、氷だけが入ったスコッチを飲む。
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