愛しの鳥籠〜完結篇〜

『すげぇ好き』なんだ…。

わたしの口の片端がクッと微かに上がったのをユキは全く気付かないまま車のスピードを上げ、家路へと、愛しの我が家へと急いだ。



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我が家のなかでも一番好きな場所であるキッチンに立ち、先ずはすり鉢を取り出してカーダモンの鞘(さや)から黒い種子を取り出して、すり鉢で潰す。

セイロンシナモンは手で四つぐらいに折る。

クローブはそのまま。ジンジャーはお好みで。

ユキがプレゼントしてくれた少し大きめのバニラ色のミルクパンに水とスパイスを入れて火にかけ、お湯が茶色になるまで煮出す。

そうしたら火を止めて、アッサムの茶葉を加えて少し時間をおいたら牛乳とお砂糖を加えて火にかけて沸騰直前で火を止めて茶漉(ちゃこ)しで漉してカップに注げば。

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