その騎士は優しい嘘をつく
「アン、愛してる」
 どうしても言いたかったその言葉。どうしても伝えたかったその言葉。

「ハイナー、私も。愛してる」
 ずっと聞きたかったその言葉。
 アンネッテは、優しくハイナーの髪を撫で始めた。それはまるで、赤子を宥めるかのように優しく慈愛に満ちている。

「こんなに愛し合っていては、すぐにハイネスに兄弟ができてしまうな」

 嬉しそうにハイナーは言う。

「あの、だけど。多分、今は、妊娠しにくい時期だと思うから、あまり期待しないで」
 嬉しそうなハイナーに水を差すような一言を口にしてしまったアンネッテは、彼に対してどこか申し訳ないと思っているのだろう。
 だが、ハイナーは違う意味で捉える。

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