その騎士は優しい嘘をつく
後日。ハイナーはアンネッテとハイネスを連れて、自分の両親の元へと向かった。
嫁だけでなく孫まで連れてきた息子に、両親は喜びと驚きと申し訳なさを感じていたようだが、順番が狂ってしまったのは、この一年国境の方に派遣されていたからだ、と説明したら、なんとか納得してもらえた。両親だって、この息子が責任ある職務についているのは知っていて、国境の方に行かなければならないと言っていたのも覚えていた。
「まさか、ハイナーの相手があの治癒の女神だったとはね」
と、口にしたのはハイナーの母親。
「最近、治癒院で見かけないと思ったら、そういうことだったのね」
ハイネスは今、その母、つまりハイネスから見たら祖母の手の中ですやすやと眠っている。
「それで、アンネッテは治癒院のほうはどうするつもりなのかしら? あなたほどの治癒の魔法の使い手なら、魔導士団のほうだって手放しはしないでしょう?」
嫁だけでなく孫まで連れてきた息子に、両親は喜びと驚きと申し訳なさを感じていたようだが、順番が狂ってしまったのは、この一年国境の方に派遣されていたからだ、と説明したら、なんとか納得してもらえた。両親だって、この息子が責任ある職務についているのは知っていて、国境の方に行かなければならないと言っていたのも覚えていた。
「まさか、ハイナーの相手があの治癒の女神だったとはね」
と、口にしたのはハイナーの母親。
「最近、治癒院で見かけないと思ったら、そういうことだったのね」
ハイネスは今、その母、つまりハイネスから見たら祖母の手の中ですやすやと眠っている。
「それで、アンネッテは治癒院のほうはどうするつもりなのかしら? あなたほどの治癒の魔法の使い手なら、魔導士団のほうだって手放しはしないでしょう?」