最初で最後の恋をおしえて
「くっついているのは、いいですよね?」
「なに? 急に甘えて」
羽澄の胸に顔を埋める。
「自分の気持ちを自覚したら、離れられなくなりました」
ギュッと腕を彼の体に回すと、羽澄も応えて抱き締めた。
「デリバリーやめようか。遅い時間にレトルトカレーでも食べればいい?」
確認され、首を縦に動かす。
「実は、俺のシャツを着てリビングに来た紬希をひと目見たときから、グッと来てた」
表情に変化なんてなかったのに、思ってもみなかった思いを明かされて、気恥ずかしくなる。
「あんまり見ないでください」
「かわいいよ」
甘く囁いて、唇が触れる。それだけで、早く彼とひとつになりたいと体が疼き出す。
「あの、こんなに、求めるのは、おかしくないですか? どこか病気なんじゃ」
その行為の依存症もあると、著名人が不倫をしたときに大々的に報じられていた。
テレビ画面に映るセンセーショナルな内容に、当時は大変だなあ、と人ごとだった。それなのに、今は自分もそうなのでは? と心配になる。
「病気だとしたら、恋の病でしょう?」
羽澄は茶目っ気たっぷりに言いながら、紬希を抱きかかえて移動する。もちろん行き先は寝室で。
まだ言い足りない紬希は、ベッドに下ろされても食い下がる。
「でも、だって」
「もういいから」
焦れた声で唇を重ねられ、再びベッドに体を沈ませた。