最初で最後の恋をおしえて
何度結ばれても体は彼を求めてやまなくて、それは彼も同じだった。でも、そのあとに父との会食を控えているなんて。
紬希は彼の腰に腕を回す。
「置いていかないでください。ふたりにも関わる話をされるんですよね?」
羽澄はなにも言わない。
「そんな意地悪するのなら、大和さんも行けなくなればいいんです」
彼にもたれかかりながら体を起こし、彼の首に腕を伸ばす。一糸纏わぬ姿だけれど、今は気にしていられなかった。
「誘惑するなんて悪い女だ」と声を詰まらせた羽澄は顔を片手で覆う。
そして深くため息を吐いた。
「わかったよ。その代わり、ドレスコードがある。すべてプレゼントさせてくれるのなら、一緒に行こう」
目を丸くして羽澄を見つめる。彼は続けて言った。
「きみを着飾らせるために帰らせる男が、如月のお嬢様と結婚できると思うかい?」
"如月のお嬢様"と揶揄されても、今は仕方がない。父を介して会うのだから、如月の名からは逃げられない。
「わかりました。その代わり、私にもなにかプレゼントさせてください。ネクタイでも、なんでもいいですから」
「ああ、わかった。そしたら急いでなにか腹に入れよう」
リップ音をさせて唇を重ねた彼は「ククッ」と笑う。
「俺のお姫様は跳ねっ返りだ」
「まあ!」
不服に思っていると、抱きかかえられ、体が宙を浮く。