最初で最後の恋をおしえて

 店を出て紬希と歩く羽澄は嘲笑する。

「情けないな」

「そうでしょうか。私はますます好きになりました。羽澄さんを」

「大和って呼ばれないと元気がでない」

「はい。大和さん」

 彼はエリートなイケメンで完璧な人。そんなイメージは脆くも崩れ去る。ずっと人間的で親しみやすく、人の痛みもわかる優しい人。

「ずっとそばにいて」

「はい」

「結婚しよう」

 驚いて顔を見上げる。柔らかな顔をした羽澄がもう一度言う。

「俺と結婚してください」

「はい」

 声が震え、涙がこぼれる。

「ああ、まずは付き合ってくださいが先だったかな?」

 笑みを浮かべ隣を歩く羽澄に抱きついて、文句を言う。

「まだ私たち付き合っていなかったんですか?」

「ちゃんと言葉に出していないなあと思っただけ」

 優しく微笑む羽澄が愛を囁く。

「好きだよ。紬希愛してる」

「私もです。大和さん、大好き」
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