もう、キスだけじゃ足んない。
「どう、かな……?」
「っ、は、え?」
エプロンをつけて、俺を出迎えてくれたのはいつも通り。
でも。
「それ、もしかして……」
「うん……あの、文化祭で接客のときに着たドレス」
昨日の文化祭で俺が見損ねた、胡桃の接客姿。
全身黒のレースを基調としたショートドレス。
首は詰まってるけどノースリーブだし、丈は膝上10cm以上はあると思う。
よくわかんないけど、なんかふわっとしてるから丈も上がってるっぽい……。
それに……。
「メイクも、髪も……」
「うん。あーちゃんと桃華がやってくれて……」
はずかしそうに、顔を真っ赤にしてうつむくその姿。
いつもは下ろしてる髪がアップにまとめられてるから、耳から、首まで真っ赤なのが丸わかりで。
「っ……」
思わず口を手で押さえる。
こんな、いつもより何倍も大人っぽくて色っぽい姿に、今はエプロンまでつけて。
これで「おかえり」とか、血圧あがる。
やっばい……かわいい。
すっげえかわいい……。
瞬く間に鼓動がはやくなる。
顔あっつ。
死ぬ……鼻血どころか吐血する。
死因、彼女に萌え死にしました。