最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
「私は――」

ぎゅっと晴を抱きしめた、そのとき。

「You're really getting on my wick!」

止まっていた車の助手席のドアが開き、サングラスをかけた女性が降りてきた。

くるくると巻かれた金髪、派手な毛皮のコート。サングラスを外すと、見覚えのある美しい目が覗いた。

「エレノアさん……!?」

「っ、出てくるなって言ったでしょ……せっかく人が説得してるのに、台無しだ」

ダリルが頭を抱え、はぁーっと深く息をつく。

エレノアさんはダリルを責めるように早口の英語をまくしたてている。

「どうして彼女がここに……」

「すみません、ヒメ。ついていくって聞かなくて。車でおとなしくしてるって約束だったのに、本当に人の段取りを滅茶苦茶にする……!」

ダリルはくしゃくしゃと髪をかき乱し、心底イヤそうにうなだれた。

エレノアさんは、聞いているの!? と言った顔でダリルの腕を掴み揺らしている。

その英語がどんな内容なのかはわからないが、責め立てていることは理解できる。

「本当、ワガママなんだから。そんなんだから自力でシオンの心を掴めないんですよ」

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