最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
よっぽど腹立たしいことを言われたのか、ダリルの表情が歪む。

そのときだった。車の走行音が響いてきて、塀の外側に停車した。ドアが開き、こつこつという革靴の音が響いてくる。

「妻と息子から離れろ。誰であろうと手を出すことは許さない」

姿を現したその人物に、ダリルもエレノアさんも、私ですら声を失くして息を止める。

「シオン……なぜ……」

チャコールグレーの上品なビジネスコートに三つ揃えのチェックスーツを着た志遠さんがこちらにやってきて、私をかばうように立った。

「陽芽。大丈夫か?」

優しくそう尋ねられ、私はこくこくと頭を上下する。

「なぜですか、シオン……帰国は明日では……」

「君が不穏な動きを見せたから、一日繰り上げて帰ってきた」

そう言って志遠さんは、ダリルに、そしてエレノアさんに鋭い目線を送る。

「使用人には、陽芽に接触する人物がいたら必ず報告するよう伝えてあった。クリスマスにたくさんプレゼントを贈ってくれたそうだな。使用人がピンときて、俺に連絡をくれた」

頼子さんがおずおずと門の中に入ってきた。彼女は気づいていたのだ、突然送られてきたたくさんのプレゼントと、その不自然さに。

< 245 / 272 >

この作品をシェア

pagetop