メルティ・ナイト
なんでこんなにルーズなんだ。
頭を抱えそうになりながらも、慌てて頭をフル回転させる。
もうすぐ予鈴はなるし。
転入生のわたしじゃ、どこにあるのかわからないから購買になんて行けないし。
ううっ、どうしよう……っ!
なんとかしたくても、いい案が浮かばない。
ウンウン唸っているわたしを見て、赤坂さんはぶはっと吹き出した。
「すずかちゃんって、めっちゃいい子じゃん」
「え……っ」
まさかそんなことを急に言われると思ってなくて、目をぱちぱちさせる。
それよりも、破顔した赤坂さんの目尻が下がって、とても幼く見えたことに驚いてしまう。
なにも言葉を返さずにいると、優しい表情をしたまま、赤坂さんは聞いてくる。
「いーや、なんでもない。そういえば、なんですずかちゃんみたいな子が、こんな学校に転入してきたの?」