メルティ・ナイト



は、初恋……?!

突拍子もない言葉に、素っ頓狂な声を出しそうになる。


でも、たしかに会いたい人と言ったのは誤解を招いたのかも。

本当は、幼い頃の親友に会いたいんだけどね。


初恋は近所の花屋のお兄さんでした、だなんてこの状況で言えるはずなく。




「いやまさか!保育園の頃に、わたしが引っ越しちゃって離ればなれになった親友の女の子です」

「うーん、まあ、聞く感じそうだよねえ」


女の子、に力を込めて言うと、赤坂さんはまたも不思議そうにうなずいた。

なんだか初恋の線ははじめからなかったような言い方で、じゃあはじめから聞かないで?!と憤慨しそうだ。


そりゃあ、わたしの初恋の話なんて興味ないだろうけど……!


そんな間も、さっきよりも眉間のしわが濃くなっていく彼に、おずおずと問いかける。








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