メルティ・ナイト

『遠くにいても、あたしはずっと、すずかちゃんの親友だもん！』



そう言って、わたしの涙をハンカチで拭いてくれたんだ。


あれから約10年。

保育園のときの話だから、スマホなんてその頃持っていないわけで、連絡手段は手紙だけ。


離ればなれになった最初の頃は、頻繁にお互いの家に手紙を送りあっていたけれど、それも長くは続かず。

このまま会うこともなくなってしまうのかな……、と思っていた最近になって、家族みんなで地元に帰れることになったんだ。



いつのまにか疎遠になってしまったけれど、もちろんマオちゃんのことはいつだって忘れたことはなかった。


幼いときに出会い、心を通わした親友は、歳を重ねても忘れることはないと思う。

そう感じるくらい、わたしにとって彼女は大切な存在だった。