メルティ・ナイト
さらに赤坂さんの視線は、茉央くんの横にいる男の子へと向く。
なんて言おうか数秒迷ったあと、茉央くんの隣に座る彼の肩を叩いた。
「この金髪ピアスは穂積令ね。基本毒舌だけど、逆手にとれば素直なだけだから悪い奴じゃないよ」
「……金髪ピアスって、不名誉極まりねえんだけど」
「そのまんまだよ」
テンポのいいやりとりに頬を緩ませる。
最初は皮肉めいた口調が怖かったけれど、もしかしたらツンデレなのかもしれない。
心が開いたような気がして、ちょっとだけ嬉しくなる。