メルティ・ナイト
外見だけで判断してはいけない、そう思った。
みんな髪の毛の色は染めて派手だし、ピアスもたくさん開いている。
見るから危ない人たちだけれど、みんな、思っていたよりもうんといい人そうだ。
もっと、仲良くなりたいなあ……。
せっかくわざわざ紹介してもらったから、どうせならわたしも、と口を開く。
「今日から転入してきた相坂すずかです……っ!ふつつか者ですが、仲良くしてくださいっ」
机におでこをぶつける勢いで頭を下げた。
その後、一拍置いて、ぷっと楓さんが吹き出した。
「ふつつか者って……っ、いやあ、面白いね」
「えっ」
わたし、なにか変なこと言ったかな……?
どうやら笑われてしまっているようだけど、楓さんの表情をうかがうと、悪い方向ではなさそうだからひと安心。