メルティ・ナイト
どやどやと現れた男の子の集団。
溢れかえる青や金などの派手な色。
興味本位の視線を浴び、萎縮してしまう。
ひいっ、こ、怖い……っ!
たくさんの視線から逃れるように、さきほど隠れていた柱の後ろへ行く。
その間も、もちろん男の子たちのヒューやらピーやら口笛はおさまらなくて。
ううっ、切実に帰りたい……!
ぎゅっと目をつぶってそう懇願したときだった。
「こっち」
すぐそばから声が投げかけられたと思うと、グイッと腕を引かれた。
もちろん、そうしたのは赤髪の彼。
みんなの視線は相変わらず浴びていたけれど、途端に歓声は止む。
ずかずかと、彼は悪びれもなくわたしを引いて廊下を歩き出す。
「やべえ……、あの子赤坂さんの女じゃねえの」
「まじか、騒いじゃって怒らせてないかな……」
「でもせっかくうちの学校に女が来たってのによ……」