身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
「どう、して」
久しぶりに会って、はじめに言うセリフではない。
でも、「お久しぶりです」と言える落ち着いた精神状態ではない。
「元気にしてたか」
そう言った水瀬先生はすぐに「いや……」と言葉を濁す。
「違うな。ごめん」
私同様、水瀬先生のほうも言葉が見つからないのか、ふたりの間に沈黙が落ちる。
こんな様子の彼を見ることは初めてで、何か言わなくてはと必死に言葉を探した。
だけど、全く何も言葉が出てこない。
「ママー!」
止まってしまっていた時間を再び動かすように、向こうから私を呼ぶ月の声が聞こえた。
子どもたちと一緒だったことに、今になってハッとする。
知られてはいけない。水瀬先生との子だなんて、絶対に。
そのことだけが警鐘を鳴らすようにはっきりと頭の中で確かな言葉になり、誤魔化すためだけに思考が働き始める。
しかし……。