身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


「すみません」


 ふたりの様子を目に、水瀬先生に謝る。

 ここからどうするべきか。

 一体どうして、今この場所に水瀬先生が現れたのか。

 まだ妊娠中の頃、水瀬先生が私のこの故郷を訪ねてきたことがあった。

 あのときは会うことはなかったけれど、もうそれが最後だと思っていた。

 それなのに、どうしてまた……。

 嫌な予感が脳裏を掠める。

 もしかしたら、私が自分との子を知らぬ間に生み育てていることを知って、驚いて確かめに来たのかもしれない。

 自分には家庭がある。それなのに、なんてことしてくれたんだ。そう言われるのかもしれない。

 違うと、否定しなくてはいけない。

 この子たちはあなたの子ではない、と──。

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