身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


「今からさ、うちで飲むんだけど一緒に飲まない?」


 すでに大分酔っているのに、今から更に飲むという彼らの予定にビックリする。


「……結構です」


 目を合わせず丁重にお断りした私を、ふたりは冗談でも言われたかのように軽く笑い飛ばす。


「そんなこと言わないでさ、美味しい酒飲もうよ」


 私のとなりに腰掛けているほうの男性はそんなことを言いながら、ベンチに置いておいた私の画材を勝手にトートバッグに入れ始める。


「え、あのっ、やめてください!」


 まさかこんなにしつこいなんて思ってもみず、どう切り抜けようかと混乱する。

 取られたバッグを取り返そうと手を伸ばしたときだった。


「何をしてるんだ」


 ベンチの前に立っていたほうの男性の向こうから、また別の人物の声がかけられた。

 その場の全員の視線が声の主に集まる。

 そこに見えた姿に、どきんと大きく鼓動が音を立てた。

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