身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


 週明け、月曜日。

 今週は日勤から仕事スタートのシフト。

 今日は朝から入浴介助に入り、あっという間に十一時を過ぎていた。

 機械入浴室の片付けを終えると、もう昼食を準備する時間が間近。

 汗ばんだ顔や首を、エプロンのポケットに入れてきたハンドタオルで拭う。

 入浴介助は、患者さんがさっぱりするのと真逆に介助側は汗だくになる。

 力仕事な上、熱気が立ち込める中での仕事だからだ。

 メイクがドロドロになるとか、髪が乱れるとか仲間たちには不評な仕事のひとつだけど、私はそれほど嫌いではない。

 そう思えるのは、患者さんがみんな気持ち良さそうな顔を見せてくれるからに違いない。

 入浴室がある一階から関係者しか使わない非常階段を使って病棟を目指していく。

 上階から人が下りてくる足音が響いてきて顔を上げた。

 あっ……。

< 20 / 246 >

この作品をシェア

pagetop