身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


 とんでもないと、もしかしたら反対されるかもしれない。

 それならそれで、何があろうと菜々恵と月と詩を手放すことはしないと主張することは決めていた。例え、勘当されようと。

 しかし、両親の反応は思わぬ変化球だった。


『そんな相手がいるならどうして早く言わないの!?』

『ひとりで出産して育児を三年もしていたなんて、なんて申し訳ないことをさせたんだ』

『お相手に謝らなくてはいけない。早く連れてきなさい』


 両親は口々にそんなことを言った。

 お前の不甲斐なさから相手の方にどれだけの心労をかけたか。これから一生をかけて幸せにして差し上げろと、両親の思いと考えが自分と一致していることに安堵した。

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