身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


「おおきいおうちー!」


 成城にある実家に到着し、子どもたちを車から降ろす。

 ふたりには菜々恵が『パパのじいじ、ばあばに会いに行くよ』と説明してくれていた。


「月、詩。ちゃんと、こんにちはするんだよ?」


 門から玄関扉にむかう途中、菜々恵ははしゃいでいる子どもたちに声をかける。

 しかし、子どもたちは「はーい!」と軽い返事。

 菜々恵が横で小さくため息をついた。

 子どもたちを会わせることにも緊張しているのだろう。

 そっととなりを歩く背中に手を添える。

 こっちを見上げ見せた笑みはどこか強張っていて、「リラックス」と微笑んで声をかけた。


「いらっしゃい。待ってたわ」


 玄関を開けると、待ってましたと言わんばかりに母親が出迎える。


「こんにちはー!」


 月と詩の挨拶がシンクロして、母が「きゃー可愛い!」とやけに若々しいリアクションで顔を綻ばせた。

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