身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
外科医の水瀬先生は、病院内で見かけるときはスクラブ白衣の姿が基本。
スーツで颯爽と歩いているのは遠目で数回見かけたことがあったけれど、こんなに近くで見るのは初めて。
それが、まさかの私との待ち合わせなのだから信じられない。
「待たせたか」
「あ、いえ! 私も少し前に下りてきたところです」
私の動揺気味な返事に、水瀬先生は「そうか」と言って前を通過していく。
駐車場の奥に停めてあるシルバーのセダンから、ロックを解除する音が聞こえた。
「どうぞ、乗って」
「あっ、はい! お邪魔します」
近づくとそれが海外の高級車とわかり、一気に緊張が高まる。
そっと足を上げて乗り込んだ助手席は包み込むような座り心地で、私が今まで乗ったことのある車とは全く別物だった。
運転席に水瀬先生が乗り込み、駐車場から車が発進する。