身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
「あのっ、私、行き先をまだ決められてなくて! 先生、何がお好きですか?」
結局伺うことになってしまったと思いながら、わからないなら本人に聞くのが一番だと開き直る。
フロントガラスの先を見る水瀬先生は、ぱちぱちと瞬きを繰り返した。
「それは……どういう意味だ? 君が俺をどこかに連れて行こうと思っているということなのか?」
「えっ……そういう、ことですよね?」
何か話が食い違っているのか、水瀬先生はいきなりフッと笑う。
「何か勘違いさせてしまったようだな。そんなつもりで誘ったわけじゃない」
「え……そうなんですか? 私、てっきりこの間のお礼をさせてもらわなくてはいけないかと思って」
水瀬先生はまたフッと笑い、「そんなわけないだろ」と言った。