身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
「でも、実際に話してみるとユーモアもあるというのがわかったな」
そう言った水瀬先生はクスッと笑う。
さっきの〝体が豆腐〟発言に対してユーモアなんて言われているのは恥ずかしいけれど、顔が熱くなりながらも「ありがとうございます」と微笑んだ。
「あの、何度かあの公園で私を見かけたと仰っていましたけど、水瀬先生もあの公園にはよく……?」
公園で初めて話したとき、何度か見かけていると言われた。
水瀬先生はランニング中のようだったけど、あの公園がそのコースに含まれているのだろうか。住まいが近いのかな……?
「俺は、走るのが趣味みたいになってて、あの公園もよく通りがかるんだ」
「そうなんですね。お住まいが近いとか?」
「いや、そういうわけでもない。住まいは病院に近いから」
「えっ! それじゃ、かなり遠くまで走ってませんか?」
驚いて訊くと、水瀬先生は「んー?」と目を上向ける。
「距離にしたら、一日だいたい十キロくらい走ってるな」
とんでもないことをサラリと言われ、口に運ぼうとしていたフォークが止まる。