身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


 確か、前に患者の佐々木さんが水瀬先生のご兄弟もお医者様だと言っていたのを思い出す。

 檀上近くに集まっているドクター陣と思われる面々を眺めてみると、水瀬先生と話している見かけない男性の姿が目に留まった。

 水瀬先生にどこか雰囲気の似ている、洗練された雰囲気の持ち主。

 かなり高い確率でご兄弟の誰かなのではないかと予想する。


「おーい佐田、乾杯用のお酒きたよ」

「あ、はい。ありがとうございます」


 じっと視線を一点集中させている中、看護助手の先輩からビールが注がれたグラスを手渡される。

 会場には乾杯の音頭がかかり、お酒と共に賑やかな声が飛び交い始めた。

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